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事業への貢献を目指し進化し続けるICT本部─本部長が語る、組織変革の狙い

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事業への貢献を目指し進化し続けるICT本部─本部長が語る、組織変革の狙い

ヤフーやリクルートホールディングスなど、大手企業でIT部門を担ってきた内田さん。今回のインタビューでは多くの組織にて活躍してきた内田さんに“エスプールの中で起こしたい変革”についてお話を伺ってきました。理想の実現に向けて、2024年12月に組織変革したICT本部の目的や組織変革の経緯や具体的な取り組み、今後の展望などもご紹介します。

内田 和也
内田 和也 エスプール 執行役員 ICT本部長

1972年、東京都世田谷区生まれ、千葉県松戸市育ち。ベンチャー企業や大手IT企業、キャリア金融グループを経て、2021年にエスプール入社。情報システム部にてBPOセンターのITインフラ早期構築や、アプリケーション開発体制の強化、情報セキュリティ技術の刷新、などを経験したのち、情報システム部長就任。2023年執行役員に就任し、2024年ICT本部を立ち上げ現職に就任。

エスプールのシステム・制作・交流を担う立場として

これまでのキャリアを教えてください

最初はベンチャー企業に入社して開発業務などを担当していましたが、「様々な会社で経験を積みたい」と思い転職。中堅企業から大手企業まで幅広く経験してきました。

これまで携わられた中で、特に印象的だった企業を教えていただけますか?

最も影響を受けたのは、ヤフー株式会社です。『爆速経営 新生ヤフーの500日』という書籍で語られていた経営改革時のタイミングに勤務していたので、非常に刺激的な時間を過ごしました。ポータルサイトのエンジニアとして、わずかな運用ミスで数百万円の損失を出してしまうという環境で開発業務を担当していたため、技術力も度胸も磨かれたと思います。その後もリクルートホールディングスやauフィナンシャルサービスにて、情報セキュリティの専門家として監査業務を担当したり、情報システム部のマネージャーとして業務改善を行ったりと幅広い業務を経験しました。

そんな内田さんがエスプールへ入社したきっかけは何だったのでしょうか

人材紹介会社からの紹介ですね。他にも数社紹介されていたのですが、エスプールはその中でも1番選考が早かったため、「スピード感があっておもしろい会社だな」と思い、面談を受けてみました。

代表取締役会長兼社長である浦上さんとお話させていただいたのですが、とても豪快な人柄に惹かれましたし、私のキャリアや実力を信頼して仕事を任せてもらえるという姿勢がとても嬉しかったのを覚えています。そういった浦上さんの想いに胸を打たれ、「内部に入り込んで、今と未来のエスプールのためにできることを色々探そう!」と考えて入社を決意しました。

2024年12月 組織のあり方が大きく変わったICT本部

現在担当している部門について教えてください

現在は2024年12月から発足したICT本部にて、3つの部門(情報システム部・グループサポート部・情報セキュリティ推進部)を担当しています。

2024年12月の改革を機に、組織編制が大きく変化したと伺いました

以前は管理本部に情報システム部が属しており、管理部や経理部などと同じ所謂コーポレート部門の一部という存在でした。しかし、今後はICT活用がより必要となってくると見越して、「本社コーポレート部門という立ち位置を超え、事業を促進する存在になっていきたい」と思い、組織変革を実行したんです。

組織変革を行った経緯を教えていただけますか?

これまでは社内からの相談に対応していく、いわゆる“受け身”になりやすい環境で、本来業務に加え情報セキュリティ対応や各社からの個別の相談対応に忙殺されていました。しかし、システムやコミュニケーションの本質は“現状をより良くしていくこと”“誰かの課題を解決していくこと”です。この理想を実現するために、2024年12月に独立した組織としてICT本部を発足させました。

ICT本部は、全社的なインフラを提供する“情報システム部”、各社個別の案件や横串のコミュニケーションを促進する“グループサポート部”、全社の情報セキュリティを推進する“情報セキュリティ推進部”の3つの部門で編成されています。ICT本部のメンバーは40名弱。開発担当のITエンジニアや問い合わせ対応を行うヘルプデスクメンバー、クリエイティブ領域のデザイナーなど様々なスキルを持つメンバーが在籍しています。

グループサポート部について教えてください

3つの課があるのですが、まず ①DX推進課。大まかに説明すると、会社としてさらなる発展を目指すための課です。今までの情報システム部はグループ各社の細かい業務改善などの要望に応え切れていない状況でした。そこで新設のDX推進課が各事業会社をサポートするという役割を担うことで、業務の効率化だけでなく利益率の向上にも寄与できると考えています。各事業会社からいただいたIT関連の要望に応えるのはもちろん、ときには内部に入り込んで現場でDXを推進することも検討しています。

②コミュニケーション促進課は、自社アプリや社員食堂の運営、社内でのBar開催などにより、文字通り社内エンゲージメントの向上を狙っています。また、③クリエイティブ課の領域ですが、デザインや動画編集などに加え、各事業会社が使う営業資料の作成などブランディング向上や事業をサポートする取り組みも行っています。

情報システム部と情報セキュリティ推進部のミッションは?

大きく変化を感じているのは、情報システム部です。いままでは組織として一括りにされていてリソースが切迫していましたが、部門を切り分けることで役割を明確化。業務改善業務に追われていた情報システム部門が、Webサービスの開発などより遂行すべきミッションに対してリソースをさける状態になりました。

また情報セキュリティ推進部では、情報セキュリティに関するルールの全面的な刷新を行う予定です。制約を設けるだけではなく、各システムや、保有している情報をもっと活用していけるようなルールにしたいです。なぜなら各事業会社にセキュリティの観点でブレーキをかけるばかりではなく、情報を活用しつつも安全に業務を遂行できるよう技術的に支援していきたいと考えているためです。

現状は最新のサイバーセキュリティに対応できるような運用や技術がルール化されていないので、新設した情報セキュリティ推進部では急ピッチで整備を進めています。

この組織をより機能させていくために

ICT本部をより機能させていくために、現在はどんなところに意識を向けているか教えてください

大きく2つあります。1つは、“ビジネスにおける課題を、どのように自身のスキルで解決するか”という感覚の習得です。どんな依頼にも対応できるようスキルを磨くことも大切ですが、ビジネスにどう活かすかという視点で解決法を模索できる人材を育成するため、当事者意識の醸成が必要不可欠だと考えています。

2つ目は、コミュニケーションを積極的にとることにも意識を向けています。コミュニケーションの活性化や社員が過ごしやすい環境づくりのためには、他部署との接点を増やしたり、交流できる場を作って顔を出すことが重要です。接触が増えればコミュニケーションも活性化しますし、結果的にエンゲージメントも高まると考えています。

グループ各社から要望をもらうケースもあるのでしょうか?

各社から「業務を知った上で、サポートとして入りこんで欲しい」という要望もよくいただいていますが、そもそもITの根幹は“課題を解決する”だけでなく、”理想を実現すること”も含まれます。そのため、物事の背景を把握するためにも業務に深く入り込んで理解することが重要だと、私自身も考えています。

例えば、「この作業ってなんのためにやっているんだろう?」という疑問を抱えたまま業務に携わっていても、いいものは作れないと私は思っています。仕様を聞いてそのまま作るのではなく、一緒に仕様を考えたり、開発側から提案できるようになるのが理想です。ITの根幹を成すためにも、これまでの受託スタイルの情報システム部を脱するためにも、背景を知り、当事者意識を醸成することは必要不可欠です。そのため、プロジェクトのスタートから参加する必要性があると考えています。

当事者意識を生む必要があるということですね

はい。そのため、事業部側と繋がれるキックオフなどでは、お互いの意識を合わせることを大切にしていますね。自分たちが相手にとってどういう立ち位置で、何を期待されているのかを理解できるように、各社に1から入り込んでいくことを意識しています。

内田さんも他部署の社員と普段から交流されているのですか?

私もほぼ毎日社員食堂に通って他のグループ会社や他部署のメンバーと話す機会を持つようにしています。また、毎週本社エントランスでBarを運営し、その中で積極的に社内メンバーと交流。そこに集まってくる数十名の社内メンバーと話して情報交換をしています。

Barのマスターのような感じで、「何飲む?」と話しかけてドリンクを提供したり、1人で参加されている方が他の社員と話せるようアテンドしたり。

私の立ち位置だと新卒社員となかなか話す機会がないので、そういったコミュニケーションをとれる機会は大切にしています。自分からも話しかけますし、新入社員の方からも気軽に相談できるように雰囲気づくりには気を付けています。

雑談の中から仕事に関する相談を受けることもありますか?

はい。打ち合わせではない場での雑談中に「ここをもっと効率化したいんですけど……」とシステムに関する相談をされるケースも少なくありません。そういった場から課題が顕在化されることも多々あるので、ICT本部のメンバーにもコミュニケーションをとれる場には積極的に参加していこうと呼びかけています。

仕事をする上で指標にしていることを教えてください

これまでのキャリアでもシステムの改善や働き方改革などの実践に携わってきましたが、その根幹にあるのは“誰かをハッピーにできるかどうか”という判断軸です。案件を受ける上では、自分の行いで誰かをハッピーにできるかどうかを重視しています。

もちろん、リソースに限りがあるため簡単なことではありませんが、インパクトが出せる部分をグループ各社と検討した上で、より開発業務やコミュニケーションを活性化させていきたいと考えています。ただ受け身で業務をこなすのではなく、“攻めと守りの姿勢を持って事業に貢献する”これこそが新しく編成した組織の目指す姿ですね。

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